どうも、鍼灸師の岡本です。
このブログからは数回分にわたって、顎関節症についてお話ししていこうと思います。
今回は「なんで顎関節症になるのか」「何を意識したら改善するのか」をテーマにしています。
私はこのブログに書いていることを意識し始めてから、
顎関節症の症状が強く出ることが激減したのでぜひ皆さんも意識してみてください!
何を隠そう私も顎関節症で、そうだと気付いたのも実は4~5年前です。
歯医者で歯を治療してもらっていたのですが、奥歯だったので結構頑張って「あーーん」ってしてたんですよ。
先生が「終わりましたよー」って言うから口を閉じようとしたらぜんっぜん閉じない!しかも閉じようとするたび激痛!
アゴを押し上げたり、関節を圧迫してみたりで何とか閉じたんですが、その時先生に「顎関節症あるなら先に言ってよ!」って怒られちゃって・・・
「あ、僕って顎関節症やったんすねぇ。」
ってすごい間抜けな返答をしてしまいました。
確かに前から口開けるとガコガコ音するなぁとは思っていましたが、こんな仕事をしてるのにそれが異常なことだと思ったことが無かったんですね・・・
私のように顎関節症ってなんぞや?って方のために簡単に症状の説明をすると
- 口を開けようとすると顎関節や周りの筋肉が痛む
- 口が途中までしか開かない
- 口の開閉時に顎関節周辺でカクンカクンとかジャリジャリと音がする
上記症状が1つでもあれば顎関節症です!「あ、これ自分も経験あるな」って方が多いかと思います。
実は顎関節症って、程度の差はあれど日本人だと2人に1人は発症する病気なんです。
でも発症しても治る人もいれば、もうずっと悩んでいる人もいる。これってなんの違い?これには顎関節症の原因の話をしなくてはいけませんね・・・
ではその原因は?
生まれつき遺伝的なもの?かみ合わせの悪さ?過去の怪我のせい?筋肉の堅さ?歯ぎしりするから?
どれも正解であり間違いです。
少し前には
顎関節症の原因は噛み合わせの悪さだ!かみ合わせを治せば顎関節症は完治する!
といろいろな本が出ました。
まぁ結果はやっぱり100%の人が治るものではなかったですね。というかそれが確かならかみ合わせが悪いのに顎関節症になってない人はどう説明されるのでしょうかね?
顎関節症は一つの原因で発症する単一病因説ではなく、複数の要因が重なり合うことで発症してしまう多因子病因説なんです。
例えば感染症などの病気がほとんどそうです。
- 赤痢菌に感染→赤痢が発症
- インフルエンザウイルスに感染→インフルエンザが発症
- 新型コロナウイルスに感染→新型コロナウイルス感染症が発症
というような感じで非常にシンプルですね。
こちらは生活習慣病などが当てはまります。
頚腕症候群(肩こり)、腰痛症、高血圧症etc.
多因子病因説には閾値と呼ばれるものがあり、これが発症するがどうかのボーダーラインです。
分かりやすく言えば、体が我慢できる耐久力のようなイメージです。
腰痛症を例にしてみると。
この様に数々の要因が積み重なって腰痛になっています。
要因の内容は人それぞれですし、耐久力も人により異なります。
顎関節症だとこんな感じです。
岡本さんとAさんを用意しました。岡本さんは私の実際に顎関節症に影響かあるものから、おそらくあるだろうなってものを並べてみました。
このように発症原因の違う二人がいたとして、先ほどお話しした「かみ合わせ」を改善させると治る人はどんな人かというと
図右側のAさんのような人ですね。試しに「かみ合わせ」を改善させてみると・・・
ご覧のようにAさんだけ顎の耐久力を下回りました。こうなると顎関節症は発症しません。岡本さんはこれだけでは全然治りませんね。
じゃあ、かみ合わせ以外にも改善できるところがないかみてみましょう。
岡本さんは「立て肘をつく癖」も改善できそうです。でも他は生まれつきや過去の事、取り返しの効かないものなので難しそう
Aさんは「歯ぎしり」をマウスピース矯正「頸部筋緊張」はマッサージで改善させてみましょうか。
こうすると岡本さんも顎関節症ギリギリ改善です!
こうすると、何ならAさんはかみ合わせを改善させなくても顎関節症が治っちゃいます。
岡本さんは再発です。
積み木遊びはこの辺にして、顎関節症には様々な因子が積み重なって発症するものと、ご理解いただけたかと思います。
因子としては、
- かみ合わせ
- 顎関節の構造
- 歯ぎしり
- 歯の接触
- 立て肘などの癖
- 頭、顎、首、肩の筋緊張
- 打撲などの怪我
- ストレス
- 神経質などの性格
- 家事、介護、仕事etc.
上げだすとキリがありませんね。
注意してほしいのが肩や首の筋緊張も顎関節症の因子になってしまうということです。
肩、首の筋肉は下顎骨に付着する筋肉もいっぱいあるため緊張が強いと引っ張られて関節に負荷がかかります。
よく凝ってる人はそちらの治療もリード整骨院などで行ってみてください。
中でも気を付けていただきたいのが「歯の接触」です。
・・・??どゆこと?
実は上下の歯って、会話や食事の咀嚼時、嚥下時などの動作を行う際に瞬間的に接触するだけで、
それ以外は唇が閉じているだけで歯は接触していません。
1日の歯の接触時間は長くても20分程度でしょう。
前歯で1~2mm奥歯は0,5~1mmの隙間を維持しています。歯科ではこれを「安静空隙(あんせいくうげき)」と言うみたいです。声に出して読んでみたくなるぐらい響きがかっこいい・・・
しかし考え事や何か作業をしている時にずっと上下の歯が触れ合っている人がいます。たとえ強く噛みしめてなかったとしても顎の筋肉は疲弊し、顎関節には負荷がかかり続けます。
これが顎関節症の非常に大きな要因になってしまいます。意識的に安静空隙を保ってあげるだけでもアゴへの負担は格段に軽減します。
これはホンマにめちゃくちゃおっきい差になるんで、心当たりのある人は是非!
というか必ず意識してみてください!
- 意外と皆さん経験がある病気
- 原因は1つではなく複数ある
- この原因を治せば治るって病気ではない
- 肩や首の筋緊張も要因になる
- 安静空隙を意図的に作れば負担は激減する
いかがだったでしょうか?
自分の顎関節症がなんで治らないのかわかってもらえたり
顎関節症の治療の糸口を見つけてもらえたりしていただけたら嬉しいです。
また、このブログで顎関節症が改善しなかった人は、次回の私のブログもぜひ読んでください!
お役立ちの情報をお届けします!
それでは!
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