捻挫したらどれくらい安静にしたらいいの?
こんにちは!伊豆です。
今日は皆さんからよくいただく質問のひとつ、
「捻挫したときはどれくらい安静にしたらいいの?」というテーマでお話します。
スポーツをしている人はもちろん、日常生活の中でもちょっとした段差や階段の上り下りで「グキッ」とやってしまうこと、ありますよね。
私も臨床で数えきれないほど捻挫の患者さんを診てきましたが、共通しているのは「治りかけで油断して再発」するケースが本当に多いということ。
では、どうやって早く回復して、なおかつ再発を防ぐのか?
そのためには「安静のしすぎ」も「動かしすぎ」もダメなんです。
さっそく詳しく解説していきましょう。
そもそも捻挫って何?
捻挫とは、関節を支えている「靭帯」が伸びたり切れたりして痛めてしまった状態をいいます。
特に多いのは足首の内側にひねる「足関節内反捻挫」です。

医学的には損傷の程度によって3つのグレードに分けられます。
-
1度:軽度(靭帯が部分的に伸びる・部分損傷)
-
2度:中等度(靭帯の一部が切れる・完全損傷)
-
3度:重度(複数の靭帯が完全に断裂)
たかが捻挫、と思っている方も多いですが、靭帯は一度損傷すると伸びきったゴムのようになり、放置すれば再発しやすい足になってしまいます。
だからこそ、「安静にする期間」と「動かし始めるタイミング」がめちゃくちゃ大事なんです。
昔と今で変わった!捻挫の治療方針
ひと昔前までは「捻挫したらとにかく安静!」が常識でした。
松葉杖で体重をかけないようにしたり、しばらく動かさずに固定したりするのが一般的でした。
でも最近は医学の考え方が変わってきています。
最新のスポーツ医学では、「痛みと腫れが落ち着いたら、できるだけ早く少しずつ動かしたほうが回復が早い」とされているんです。
なぜかというと、靭帯や筋肉は「動かすことで血流が良くなり、治癒が促進される」から。
完全に安静にしてしまうと逆に筋肉が弱くなり、動かし方を忘れてしまい、治った後もパフォーマンスが戻らないリスクがあるんですね。
実際の研究から見えてきたこと
ラット(実験動物)を使った面白い研究があります。

-
捻挫直後から運動させたグループ
-
3日後から運動させたグループ
-
ずっと安静にしたグループ
この3つを比べたところ、どちらの運動グループも安静グループより筋肉の再生が進んでいました。
特に「損傷直後から動かしたグループ」は、傷口の瘢痕(硬い組織)が少なく、しなやかに回復していたんです。
もちろん人間はラットとは違うので、この結果をそのまま当てはめることはできません。
でも臨床経験上も「痛みが引いたら早期に運動療法を取り入れる方が、明らかに治りが早い」ケースが多いのは事実です。
じゃあ、安静にするのはどれくらい?
これが一番知りたいところだと思います。
結論から言うと、「腫れと強い痛みが引くまでは安静+RICE処置」が基本です。
RICEとは、スポーツ現場では定番の応急処置のこと。
-
R(Rest)安静
-
I(Ice)冷却
-
C(Compression)圧迫
-
E(Elevation)挙上
まずはこのRICEで炎症を抑えることが最優先です。
グレード別に目安をお伝えすると…
-
1度(軽度) → 1〜2日安静にして、その後は少しずつ運動療法へ
-
2度(中等度) → 1週間ほどRICEを徹底し、その後軽いリハビリへ
-
3度(重度) → 2〜3週間の固定が必要。その後リハビリ開始
もちろんこれは目安なので、エコー検査などで損傷の程度を確認することが理想です。
早期に動かすメリット
「まだ痛いのに動かして大丈夫?」と思う方も多いと思います。
でも、ここでの「動かす」とは無理にジャンプしたり走ったりすることではありません。
-
足首をゆっくり上下に動かす
-
タオルを足先でたぐり寄せる
-
ゴムバンドで軽く抵抗をかけて動かす
といった、あくまで「痛みのない範囲」での運動です。
こうした早期運動にはメリットがたくさんあります。
-
血流が改善し治りが早い
-
筋肉の萎縮を防げる
-
関節の動きを忘れない
-
再発予防につながる
特に「再発予防」が大きいですね。
捻挫を繰り返す人の多くは、初期に安静にしすぎて足首が固まってしまったパターンです。
私の臨床経験から
私が施術した患者さんで、20代のバスケットボール選手がいました。
試合中に足首を大きくひねって受診。腫れは強かったですが、エコーで見たところ靭帯の断裂はなし。
RICEで炎症を抑えたあと、数日で軽い可動域訓練を開始しました。
結果、3週間後には練習復帰、5週間で試合に出られるまで回復しました。
同じくらいのケガで「完全安静」を徹底した患者さんは、復帰まで2か月以上かかることもあります。
やはり「適度に動かす」ことの大切さを実感しましたね。
捻挫したらどれくらい安静にしたらいいの?
さて、前半では「捻挫は安静にしすぎてもダメ」「RICE処置で炎症を抑えてから少しずつ動かそう」というお話をしました。
ここからは、実際にどんな風にリハビリを進めていくのか、そして再発を防ぐために何を意識すればいいのかをお伝えしていきます。
リハビリの進め方
リハビリは「段階を踏んで」行うことが大切です。いきなりダッシュやジャンプをしてしまうと、まだ弱っている靭帯に負担をかけてしまいます。
ステップ1:可動域を戻す
まずは足首の上下・左右の動きを少しずつ回復させていきます。
ポイントは「痛みの出ない範囲で」
例えば、座った状態でタオルを床に置き、足の指でたぐり寄せる「タオルギャザー」も効果的です。
ステップ2:筋肉をつける
次に、弱った筋肉を補強します。特に「腓骨筋」という足の外側の筋肉は、足首を守る大事な役割があります。
チューブを使って足を外側に押し出す運動などを繰り返すことで、靭帯をサポートできる筋肉が育ちます。
ステップ3:バランス感覚を鍛える
捻挫した人は、足首の「感覚センサー(固有感覚)」が鈍っていることが多いです。
そこで片足立ちやバランスボードを使ったトレーニングを行い、転びにくい身体を作っていきます。
これをサボると「クセになった捻挫」から抜け出せません。
ステップ4:実戦的な動きへ
最後にランニング、ジャンプ、カット動作(急に方向転換する動き)といったスポーツ特有の動きを少しずつ取り入れていきます。
「痛みがない」「腫れが出ない」「不安感がない」ことを確認しながら段階的に進めましょう。
捻挫を早く治す“裏ワザ”治療
「普通に回復するよりもっと早く治したい!」という方におすすめの方法もご紹介します。
① 微弱電流(マイクロカレント)
超音波で骨折が早く治ることは有名ですが、実は靭帯や筋肉の損傷も「微弱電流」を使うと回復が早まるとされています。
目に見えないレベルの電気を流して細胞の修復をサポートするんですね。
プロスポーツ選手の現場では当たり前に使われています。
② テーピング・サポーター
リハビリ初期には、靭帯を守るためにテーピングやサポーターを活用するのも有効です。
ただし「サポーター頼み」になってしまうと筋肉が弱るので、あくまで補助として使いましょう。
③ 鍼灸・手技療法
私の臨床経験では、鍼灸を組み合わせると回復が早いケースも多いです。
炎症を抑えるツボや、足首まわりの硬くなった筋肉を緩める施術は、治癒スピードを後押ししてくれます。
日常生活で気を付けたいこと
捻挫を早く治すには、リハビリだけでなく日常生活での過ごし方も大事です。
-
歩き方を工夫する
痛みがなくなっても、足をかばって歩くクセが残る人がいます。これが膝や腰の痛みにつながるので、できるだけ左右バランスよく歩きましょう。 -
冷え対策をする
冷えは血流を悪くし、回復を遅らせます。夏でもクーラーの風が直接足に当たらないように注意してください。 -
再発予防のための靴選び
かかとがしっかり固定されるスニーカーを選ぶのがベスト。サンダルやヒールは不安定なので避けましょう。
捻挫はクセになるって本当?
よく「捻挫はクセになる」と言われますが、これは半分正解です。
靭帯は一度伸びると完全には元に戻らないことが多いので、再発のリスクは確かに上がります。
でも!
適切なリハビリをして、筋肉と感覚を鍛え直せば「クセにならない足」に戻すことは可能です。
逆にリハビリをサボってしまうと、再発→さらに靭帯が緩む→不安定な足になる、という悪循環にハマってしまいます。
まとめ
捻挫をしたときに大事なのは、
-
まずはRICE処置で炎症を抑える
-
腫れと強い痛みが引いたら少しずつ運動療法を始める
-
段階を踏んで可動域→筋力→バランス→実戦的な動きへ
-
微弱電流や鍼灸などのサポート療法も有効
-
日常生活では靴・歩き方・冷えに注意
この流れを押さえておけば、回復が早いだけでなく「再発しにくい足」へと改善できます。
いかがでしたか?
「捻挫したらどれくらい安静にしたらいいの?」の答えは、“痛みと腫れが落ち着くまでRICE、それ以降はできるだけ早めに動かす”が正解です。
もしあなたが今まさに捻挫で悩んでいるなら、自己判断せずにぜひご相談ください。
適切な処置とリハビリで、思ったよりずっと早く元の生活に戻れますよ!

この記事へのコメントはありません。