体温が1度下がると免疫力は約30%落ちる。知っていましたか?
こんにちは、井手です。
突然ですが、質問です。
あなたは自分の体温を把握していますか?
「36度台かな」「低めだと思う」「測ったことない」人によってさまざまだと思います。
実はこの体温、免疫の働きと非常に深い関係があります。体温が1度下がると免疫力が約30%低下し、逆に1度上がると免疫力が最大5〜6倍活性化するという研究データがあります。たった1度の差が、これだけ大きな違いを生む。体温は、健康を語るうえで絶対に外せないテーマです。
今回はこの「体温と免疫」の関係について、施術者としての視点と、私自身の実体験を交えながらお話しします。
出典:https://www.mayoclinic.org/diseases-conditions/fever/symptoms-causes/syc-20352759

そもそも免疫とは何か?
免疫とは、体の中に侵入してきたウイルスや細菌・異物を発見して攻撃し、体を守るシステムのことです。
よく「免疫力を上げる」という言葉を聞きますが、免疫は単純に「強ければ強いほどいい」というものではありません。強すぎると、本来攻撃しなくていい自分の細胞まで攻撃してしまいます。これがアレルギーや自己免疫疾患と呼ばれる状態です。
免疫に求められるのは「強さ」よりも「適切に機能すること」です。必要なときに必要な場所で、必要なだけ働く。このバランスが整っているかどうかが、本当の意味での免疫の良し悪しを決めます。
そしてそのバランスを左右する大きな要因の一つが、体温です。
体温が正常な範囲に保たれているとき、免疫細胞は活発に動き回り、異物を素早く発見して対処します。ところが体温が下がると、血流が悪くなり、免疫細胞が必要な場所にたどり着けなくなります。ウイルスが体内に侵入しても、免疫細胞が遅れて到着するような状態では、感染を防ぐことが難しくなります。
出典:https://www.clevelandclinic.org/health/articles/immune-system

発熱は「敵」ではなく「味方」だった
風邪を引いたときに熱が出ると、多くの人はすぐに解熱剤を飲みたくなります。つらいですし、気持ちはよくわかります。
ただ、発熱は体が「異物と戦っているサイン」です。体温を上げることで免疫細胞の動きを活性化させ、ウイルスや細菌が増殖しにくい環境を体の中に作り出しています。つまり発熱は、体が自分を守るために意図的に行っている防衛反応です。
もちろん高熱が続く場合や、体力的に消耗が激しい場合は医師の判断のもとで適切に対処することが必要です。ただ、微熱程度であれば「体が頑張っているんだな」と少し見守る姿勢も、回復を助けることがあります。
体温と免疫の関係を理解すると、発熱への見方が少し変わります。「なんで熱が出るんだ」ではなく「体が戦ってくれているんだ」という視点で見られるようになると、体のことがもう少し好きになれる気がします。
出典:https://www.hopkinsmedicine.org/health/conditions-and-diseases/fever

自分の体で感じた体温と体調の変化
ここから少し、私自身の話をさせてください。
以前の私は、季節の変わり目になると高確率で風邪を引いていました。春から夏、夏から秋、秋から冬。この切り替わりのタイミングで、毎回のように体調を崩していました。年に3〜4回は風邪を引いていたと思います。
「体質だから仕方ない」とずっと思っていました。
変わったきっかけは、継続的なトレーニングを始めたことです。筋肉量が増えると基礎代謝が上がります。基礎代謝が上がると、何もしていない状態でも体が産生する熱量が増えます。その結果、体温が少しずつ上がり、基礎体温が安定してきました。
体温が上がるにつれて、体調を崩す頻度が明らかに減っていきました。今では季節の変わり目に風邪を引くことはほとんどなくなりました。
施術者として日々患者様の体に触れていますが、体温が低い方は筋肉が硬く、疲れが抜けにくい傾向があることを実感しています。逆に体温が安定している方は、筋肉の質が柔らかく、施術に対する反応も早い印象があります。体温は体の外から触れるだけでも、ある程度感じ取ることができます。
出典:https://www.mayoclinic.org/healthy-lifestyle/fitness/in-depth/exercise/art-20048389
鍼灸・手技療法が体温に与える影響
私たちが行っている鍼灸施術や手技療法は、「体温を強制的に上げる」ことを目的としていません。
目的は「体が自然に温まりやすい状態を作ること」です。
鍼灸施術では、ツボへの刺激によって自律神経のバランスを整えます。自律神経が整うと、血管の収縮・拡張がスムーズになり、全身への血流が改善されます。冷えやすかった手足が温まりやすくなり、体の中心から末端まで温度が均一に保たれやすくなります。
お灸はその効果がさらに直接的です。熱の刺激が皮膚から深部に伝わり、局所の血行を促進します。冷えが強い部位や、慢性的に血流が悪くなっている場所に据えることで、その部分から全体へと温かさが広がっていきます。
手技療法では、硬くなった筋肉をほぐすことで血流の通り道を作ります。筋肉が硬いと、その中を走る血管も圧迫されて血流が滞ります。筋肉を緩めることで血流が回復し、体温の維持がしやすくなります。
これらの施術を通じて体の中の環境が整うと、免疫細胞が動きやすい状態になります。体が本来持っている「整える力」を引き出すことが、私たちの施術の根本にある考え方です。
出典:https://www.clevelandclinic.org/health/treatments/22483-acupuncture

日常でできる体温と免疫を整える習慣
最後に、施術以外で日常生活の中でできることをお伝えします。
まず体を冷やさないことです。特に首・手首・足首の3つの「首」は、太い血管が皮膚の近くを通っているため、冷えの影響を受けやすい場所です。夏でも冷房の効いた場所では薄手のストールや靴下を使うなど、意識的に冷えから守ることが大切です。
次に適度な運動です。筋肉は体の中で最も多くの熱を産生する器官です。筋肉量が多いほど基礎体温が高く保たれやすくなります。激しい運動でなくても、毎日30分程度のウォーキングや、簡単なストレッチを続けるだけで体温の維持に効果があります。
そして睡眠です。睡眠中は免疫細胞の修復と活性化が行われます。睡眠不足が続くと免疫機能が大きく低下することが研究でわかっています。「なんとなく不調が続く」という方の多くが、睡眠の質に課題を抱えていることがあります。
体温と免疫は、特別なことをしなくても、日常の積み重ねで整えていくことができます。「最近疲れが抜けない」「風邪を引きやすい」「体が冷えやすい」と感じている方は、まず自分の生活習慣を見直すところから始めてみてください。
そして施術と日常習慣を組み合わせることで、体はさらに変わりやすくなります。気になることがあれば、ぜひ一度ご相談ください。
井手でした。
