外反母趾はなぜ起こる?その原因と足の秘密に迫る!(前半)
こんにちは!鍼灸師の寺下です(^^)
今日も足のお話をしていきますよ!
「また足の話?」と思った方、正解です。だって足って本当に大事なんです。人間の土台であり、建物でいえば基礎。ここが崩れてしまったら、いくら立派な柱や屋根を作っても安定しませんよね。
まさにそれが「足」。だから整骨院のブログで頻繁に取り上げるのです。
さて今回のテーマは「外反母趾」。
名前くらいは知っている方が多いと思いますが、実際に発症すると想像以上に厄介で、生活にも大きな影響を与えるものなんです。
「外反母趾」ってどういう意味?
外反母趾という言葉を分解すると理解しやすいです。
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外反 … 体の中心から外側に反り返っている状態
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母趾 … 足の親指のこと
つまり「親指が外側に反ってしまっている状態」が外反母趾なんです。

「外反母趾=ヒールを履いている女性に多い」というイメージを持っている方も多いですよね。確かに先の細い靴やハイヒールはリスクを上げます。
でも、それはあくまで「二次的な要因」でしかありません。靴だけでは説明がつかないのです。
なぜなら、靴を履く習慣がない民族にも外反母趾の人は存在するからです!
「え?裸足で生活していても外反母趾になるの?」と驚きますよね。
これはつまり、 外反母趾になりやすい足と、なりにくい足がある ということなんです。
男性もなる!外反母趾は女性だけじゃない
外反母趾は「女性特有の問題」と思われがちですが、男性にも少なくありません。
もちろん女性に多いのは事実です。関節が柔らかく、筋力も男性に比べて弱いため、足の骨格が崩れやすいんです。
ですが、男性でも発症している人はたくさんいます。
実際に私の院にも、サッカーやランニングをしている男性が「親指の付け根が痛い」と来院されます。
つまり、外反母趾は性別に関係なく「足の構造」によって誰にでも起こり得るのです。
外反母趾になりやすい足のタイプとは?
それではどんな足の人が外反母趾になりやすいのか、代表的な例を挙げますね。
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先天性内転足(生まれつき足先が内側を向いている)
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第一中足骨が長いタイプ(親指の骨が人差し指の骨より長い)
こういった構造を持っている人はリスクが高いといえます。
足は日常生活の中で一日何万回も地面に接触します。そのたびに負担が積み重なり、構造的に弱い部分に「負の連鎖」が起こるのです。
弱点を持った足 → 歩くたびに崩れる → さらに負担がかかる → 外反母趾へ進行
こういうシナリオで発症していくのです。
キーワードは「過剰回内」
外反母趾を語るうえで欠かせないのが「過剰回内(かじょうかいない)」です。
「回内」とは、かかとの関節の動きを指す言葉。
「かかとに関節なんてあるの?」と驚かれる方も多いですが、実際にあるんですよ。
椅子に座って足を浮かせ、つま先を左右に動かしてみてください。足首が動いているように見えますが、実はかかとの関節(距骨下関節)がメインで動いています。
この関節の動きは「土踏まずの高さ」として表れます。
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回内すると土踏まずが潰れて低くなる
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回外すると土踏まずが高くなる
これが「アーチの動き」なんです。
過剰回内が引き起こす悪循環
外反母趾の方の多くは「過剰回内」タイプの足をしています。
これは、かかとの関節が柔らかすぎて必要以上に動いてしまう状態。
本来なら「柔らかい足 → 踏ん張る時に硬い足」へ切り替わるはずなのに、それができない。
すると踏ん張りの力が逃げてしまい、結果として第一中足骨(親指の付け根の骨)に負担が集中します。
その骨が内側に広がり、親指は外側に反り返ってしまう。これが外反母趾の直接的な原因なのです。
外反母趾は全身に波及する!
外反母趾って「足の親指の問題」だけじゃないんです。
実は全身に悪影響を及ぼすんです。

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膝や腰の痛み … 足の崩れが上半身にまで影響します。
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猫背や姿勢不良 … 足元が不安定だと骨盤や背骨も歪んでしまいます。
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O脚・X脚 … 膝の向きまで変わってきます。
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スポーツパフォーマンスの低下 … 跳んだり走ったりする動きが制限されます。
つまり、外反母趾は「見た目の問題」にとどまらず、全身の健康や美容にまで関わる深刻な問題なんです。
靴とインソールで足を守る
改善の第一歩は「足を正しい環境に戻すこと」。
そのために大切なのが「靴」と「インソール」です。
靴を選ぶときのポイントは…
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かかとを安定させるヒールカウンターがしっかりしている
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ねじれに強い靴(トーションバランスが良い)
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つま先が自然に曲がる柔軟性がある
そして忘れてはいけないのがインソール。特に医療用インソールは市販品とは全く別物です。
「過剰回内」を抑える力が強く、外反母趾の根本改善にとても有効です。
まとめ(前半)
ここまで外反母趾の原因や仕組みをお話しました。
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靴だけが原因じゃない
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生まれ持った足の構造が関わっている
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キーワードは「過剰回内」
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外反母趾は全身に影響する
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靴とインソールで改善が可能
後半では、さらに 「外反母趾セルフチェック方法」 や 「自宅でできるケア」、そして 「私が臨床で見てきた改善例」 を詳しくご紹介します!
外反母趾を改善するには?セルフチェックと具体的な対策(後半)
こんにちは、鍼灸師の寺下です。
前半では外反母趾の原因や「過剰回内」がカギであることをお話ししました。
ここからは、もっと実践的に 「自分で外反母趾をチェックする方法」 や 「セルフケア」、そして実際に私が臨床で経験した症例などをお伝えしていきます。
読み終わる頃には「明日からできるケア方法」がわかりますので、ぜひ最後まで読んでくださいね。
外反母趾セルフチェック法
まずは自分が外反母趾の予備軍かどうかを知ることが大事です。
チェックポイント1:親指の角度
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足をまっすぐ前に出して立ちます。
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親指の付け根(母趾球)から親指先端にかけての角度を見てください。
15度以上外に反っていたら外反母趾の疑いがあります。
25度を超えると「中等度以上」、40度を超えると「重度」といわれます。
チェックポイント2:親指の付け根の出っ張り
親指の付け根がポコッと出っ張っている方は要注意。
歩いていて靴に当たって痛む場合、進行性の可能性が高いです。
チェックポイント3:足裏のタコ・魚の目
親指や小指の付け根にタコや魚の目がある方は、重心が偏っている証拠です。
これも外反母趾リスクのサインです。
チェックポイント4:足のアーチの崩れ
土踏まずをチェックしてみてください。
ほとんど潰れて平らになっている方は「過剰回内タイプ」で外反母趾になりやすい足です。
外反母趾セルフケア(自宅でできる方法)
「外反母趾は手術しかない」と思っている方も多いですが、そんなことはありません。
早期であればセルフケアで進行を防ぎ、痛みを和らげることも十分可能です。
① 足指のグーパー体操
足の指を思い切り開いて閉じる運動を繰り返します。
1日30回程度でOK。血流改善と筋力アップに効果的です。
② タオルギャザー
床にタオルを置き、足の指でたぐり寄せます。
足底筋群を鍛えることでアーチを支えやすくします。
③ ゴルフボールマッサージ
土踏まずの下にゴルフボールを置いてコロコロ転がします。
これで足裏の筋膜リリースができ、柔軟性が高まります。
④ ふくらはぎのストレッチ
過剰回内の人はふくらはぎが硬くなりがちです。
壁に手をつき、アキレス腱を伸ばすストレッチを毎日30秒ほど続けましょう。
⑤ 正しい靴選び
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ヒールはできれば3cm以下
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つま先が広めで足の形に合っているもの
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かかとがしっかりホールドされているもの
この条件を満たす靴を選ぶことが大切です。
インソールの重要性
外反母趾において私が特に強調したいのが「インソール」の存在です。
市販のインソールでも多少の効果はありますが、臨床で明らかに効果を発揮するのは医療用のインソールです。
中でも「フォームソティックス・メディカル」は外反母趾や過剰回内の矯正に非常に有効です。
患者さんの中には「いろいろ試したけどダメだった」という方が、このインソールを使った途端に痛みが消えたケースもあります。
もちろんすべての方に同じ効果が出るとは限りませんが、根本的に足の構造を変えるためには欠かせないものだと私は思います。
実際の症例(私の臨床経験から)
症例1:50代女性
外反母趾が進行し、親指の付け根が赤く腫れて痛みで歩けない状態。
インソールを使用し、合わせて足裏の筋トレを指導。
3か月後には痛みが大幅に軽減し、長時間の買い物もできるようになりました。
症例2:30代男性
ランニングを趣味にしていたが、外反母趾が進行して距離を走れなくなった。
原因は過剰回内。医療用インソールと靴の選び方を改善し、再びフルマラソンを完走できるようになりました。
症例3:高校生女子
部活でバスケットをしていて足の親指に強い痛みがあった。
タオルギャザーとストレッチを徹底し、インソールを導入。
2か月後には痛みなくプレーできるように。
外反母趾は「美容」の大敵でもある!
「外反母趾=健康問題」と思われがちですが、実は美容面でも影響があります。
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足の形が崩れてサンダルやパンプスが似合わない
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O脚・X脚になり、脚全体のラインが崩れる
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猫背や腰痛で姿勢が悪くなる
つまり、外反母趾を放置すると「見た目年齢」まで老けてしまうんです。
「最近なんだかスタイルが崩れてきたな…」という方は、足元を疑ってみるのも大切です。
最後に:外反母趾と向き合うあなたへ
外反母趾は決して「靴のせい」だけではありません。
生まれ持った足の構造や歩き方、そして日常生活の習慣が大きく関わっています。

ですが、逆にいえば「習慣を変えること」で改善の余地は大いにあるのです。
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毎日のちょっとしたストレッチ
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正しい靴選び
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インソールで足をサポート
この3つを意識するだけで、未来の足の健康は大きく変わります。
私自身、臨床で「歩くのが苦痛だった方が笑顔で歩けるようになる」瞬間を何度も見てきました。
だからこそ、外反母趾で悩んでいる方に声を大にして伝えたいです。
「外反母趾は放置せず、今すぐケアを始めましょう!」
その一歩が、あなたの人生をもっと軽やかにしてくれるはずです。


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