どうも鍼灸師の岡本です。
前回に引き続き顎関節症について書いていきます。
前回の記事
知ってるだけで顎関節症が劇的に改善する!原因はまさかの○○?
で、顎関節症の原因は1つではないよー。とご理解いただきました。
今回は、発症の原因別に多い症状の出方と顎関節症の4つのタイプをご紹介します!
顎関節症はひとくくりにはされていますが色々な症状があります。
それは何が原因で顎関節症になっているのかが違うからなんです!
咀嚼筋痛が主な症状です。
咀嚼筋痛は、口を開け閉めする運動や食べ物を咬んだり、咬みしめた時に発生する運動時痛を指します。
安静にしているときに黙っていても痛みを感じる「自発痛」や、指で押すと痛みを感じる「圧痛」だけではⅠ型には含まれません。
また、レントゲンなどの画像診断で異常所見を認めないものとなっています。
ちなみに噛みしめる筋肉は「咬筋(こうきん)」と「側頭筋(そくとうきん)」「外側翼突筋(がいそくよくとつきん)」「内側翼突筋(ないそくよくとつきん)」の四種四対の筋肉です。
さらに口を開く筋肉は「顎二腹筋(がくにふくきん)」と「胸鎖乳突筋(きょうさにゅうとつきん)」があります!
これは、「関節包(かんせつほう)」・「外側靭帯(がいそくじんたい)」、「円板後部組織(えんばんこうぶそしき)」に障害が起こっている状態です。
この障害は、口腔の食べ物を片側だけで咬むなどの異常習癖に伴う内在性の慢性外傷性刺激や、
頬杖やうつ伏せ寝などの外来性の慢性外傷性刺激、
そして反復してあくびをすることによって組織が捻挫を起こします。
その結果、関節部に局所的な圧痛や運動時痛をが出てしまいます。
「朝食を食べようとしたら急に顎関節に痛みを感じる」「特に奥歯で咬みこむと痛い」
もっとひどくなると「痛くて奥歯で咬みこめない」などの症状が出ます。
顎関節部を押して痛みを感じる「圧痛」も出てくるのが特徴!
同様の症状を示してもの症状があるものや、画像診断で骨の変形ないし関節円板の障害が見られるものは除外されます。
この病態は、「関節窩(かんせつか)」と「関節頭(かんせつとう)」の間にある
「関節円板(かんせつえんばん)」が正常な位置から“ずれている”(「転位(てんい」)状態です。
正常な場合の関節円板の動き
口を開くと音が鳴る人の関節円板の動き
顎が開き切らない人の関節円板の動き
口を開けたときに、「関節円板」が正常な位置に一時的にもどるものを、「復位性(ふくいせい)」(Ⅲa型顎関節症)
全くもとに戻らないものを「非復位性(ひふくいせい)」(Ⅲb型顎関節症)といいます。
関節円板の転位のほとんどは、前の方にずれる「関節円板前方転位(かんせつえんばんぜんぽうてんい)」ですが、後方への転位、内外側への転位を示すものもあります。
関節痛、開口障害、あるいは関節雑音のうち少なくともいずれかがあればⅢ型顎関節症、
レントゲンなどの各種画像診断で、骨の変形が確認されるものは次に説明するタイプになります。
関節を構成する組織が変形して痛みを発している状態です。
特に関節頭の形態の変化(すり減ったりギザギザになったり)や
転位した関節円板が線維組織でくっついてしまう「線維性癒着(せんいせいゆちゃく)」
円板の前方転位により関節窩と関節頭の間に引き込まれた「関節円板後部組織(かんせつえんばんうこうぶそしき)」
過重が加わることで穴が開く「穿孔(せんこう)」など
フリーの画像が見つからなかったのでどんなものか気になる人は調べてみてください・・・
ただ、このⅣ型顎関節症はレントゲンをはじめとする画像診断が非常に難しいため誤診もしばしば。
一般社団法人「日本顎関節学会」が2012年にまとめた顎関節症の病態分類最終案によると、
「節痛、開口障害あるいは関節(雑)音の臨床症状を少なくとも一つを呈し、
かつそれらとの関連性が高いとされる画像所見のみを本症の診断基準として取り扱うこととする。」となっていて、
「単に画像的変化のみを呈するものを除外する。」となっています。
変形性顎関節症で見られる関節雑音は、「復位性円板前方転位(Ⅲa)」で見られる“クリック”音とは違って
「関節頭と「関節窩」の表面が直接擦れ合うことで発生する雑音なので
「ゴリゴリ」、「ギシギシ」という音がします。この雑音を“クレピタス”音といいます。
※ちなみにⅢ型顎関節症で紹介したカクっとなる音はクリック音といいます。
長期のⅠ~Ⅲ型顎関節症を経てⅣ型顎関節症になるパターンが多く治療には長期を要する、
または完治は難しいものもある。
以上が顎関節症を原因別に分けた4タイプの紹介でした。
自分の顎関節症がどのタイプなのか
それがわかれば自ずと何に注意すればいいのか見えてくるはず!
何に気を付けるの?と思った人はこのブログも読み返してみてください!
知ってるだけで顎関節症が劇的に改善する!原因はまさかの○○?
それでは!
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