妊娠中の腰痛対策 〜やさしいケア法〜
こんにちは!鍼灸師の寺下です(^^)
季節はすっかり秋になりましたね。食欲の秋、芸術の秋、そして妊婦さんにとっては…「腰の秋」なんて言葉があってもいいんじゃないかと思うくらい、秋冬は腰痛で悩む妊婦さんが増えるんです。
「え、秋と腰痛に関係あるの?」と思うかもしれませんが、冷えや血行不良は腰痛を悪化させる大きな要因なんです。特に妊娠中はホルモンの影響で関節がゆるみ、骨盤に負担がかかりやすいので、普段以上に腰痛リスクが高まります。
今回はそんな 妊娠中の腰痛 について、原因から具体的な対処法まで、ちょっと面白く、でも真面目に解説していきますね。
妊娠中の腰痛はなぜ起こるのか?
1.ホルモン「リラキシン」の影響
妊娠すると体の中で「リラキシン」というホルモンが分泌されます。
このリラキシン、実はとても大切な役割を持っているんです。

-
骨盤の靭帯をゆるめて赤ちゃんが大きく育つスペースを作る
-
出産時に産道を広げて赤ちゃんが通りやすいようにする
とてもありがたいホルモンなのですが、その副作用(?)として骨盤や腰まわりの関節が不安定になり、腰痛につながってしまうんです。
患者さんからもよく「骨盤がグラグラする感じがする」と言われますが、これはまさにリラキシンの仕業。妊娠のために必要な現象なのに、ママさんの腰にとってはちょっと厳しい状況を作り出してしまうわけですね。
2.赤ちゃんの成長による物理的な負担
妊娠が進むにつれて赤ちゃんはどんどん大きくなります。
当然ながらその重さは骨盤にダイレクトにかかります。
「背中が反ってきた気がする」
「立っているだけで腰が重い」
こんな感覚が出てきたら、まさに赤ちゃんの成長に体がついていけていないサイン。
骨盤がゆるんでいる上に重さまで加わるので、腰まわりの筋肉や靭帯は大忙し。これが腰痛を招く二つ目の大きな要因です。
3.妊娠後期に目立つ「血行不良」
もう一つ忘れてはいけないのが 血流の問題 です。
妊娠後期になると、大きくなった子宮が骨盤内の血管を圧迫してしまいます。
その結果、下半身の血流が悪くなり、冷えやむくみ、そして腰痛を引き起こすのです。
これが厄介なのは、冷えやむくみも「妊娠あるある」だから軽く考えてしまう点。
でも実際には血流が滞ることで筋肉がこわばりやすくなり、結果的に腰痛が長引いてしまいます。
妊婦さんは薬や湿布を避けたい
「腰が痛いから湿布貼ろうかな…」と思う方もいますが、ちょっと待ってください!
妊娠中に使える薬や湿布薬には制限があります。
一部の湿布には胎児に影響を及ぼす可能性のある成分が含まれていて、妊娠後期には禁忌とされているものもあるんです。
自己判断での使用は危険なので、必ず主治医に相談してくださいね。
だからこそ「我慢するしかないのかな」と思ってしまう方が多いんですが…
実はちゃんと 安全で効果的な対策 があるんです。
妊娠中の腰痛対策 〜今すぐできること〜
1.骨盤ベルトやマタニティガードルを使う
まずオススメしたいのがこれ!
患者さんに伺うと「知ってるけど使ってない」という方が意外と多いんです。

-
骨盤ベルト → 骨盤を引き締め、上半身を支えるサポート
-
マタニティガードル → お腹を包み込み、腰の筋肉への負担を軽減
この二つは妊婦さんの腰痛対策の王道。物理的に骨盤を安定させることで「支えられている感覚」が得られ、安心感も生まれます。精神的な安定って、痛みを和らげるのに本当に大事なんですよ。
2.冷え対策で血流改善
妊娠中は「暑い」と感じやすいので、ついつい薄着や冷たい飲み物に手を伸ばしがち。
でも体の内部、特に下半身は冷えていることが多いんです。

-
靴下を履く習慣をつける
-
冷たい飲み物は常温に戻してから飲む
-
夜はお風呂で湯船にゆっくり浸かる
こうしたちょっとした工夫だけでも、血流はぐっと良くなります。結果的に腰痛がやわらぐケースはとても多いんです。
3.そして最後に…鍼灸!
「え?妊娠中に鍼灸?」と驚かれる方もいると思います。
でも実は、薬の制限が多い妊婦さんにとって、鍼灸はとても優しく安全な治療法なんです。
-
腰痛の緩和
-
つわりや便秘の改善
-
冷えやむくみの軽減
こうした効果が期待できるので、当院でも妊婦さんに積極的におすすめしています。
実際に「お灸をしたら楽になった!」と喜ばれる方もたくさんいます。
もちろん、施術には妊婦さん専用の配慮が必要です。ツボの選び方や刺激の強さを間違えるとよくないので、必ず経験豊富な施術者にご相談くださいね。
妊娠中の腰痛を和らげる生活習慣とセルフケア
妊婦さんの腰痛は「仕方ないもの」と思われがちですが、生活のちょっとした工夫でずいぶん楽になります。私が実際に患者さんと一緒に取り組んできた中で「これは効いた!」という工夫をいくつか紹介していきますね。
① 姿勢を意識する
妊娠中はお腹が大きくなるにつれて、どうしても「反り腰」になりやすいんです。骨盤が前に傾いて腰に負担が集中しやすい状態ですね。
患者さんによくお伝えしているのは、「壁を使った姿勢チェック」。
背中・お尻・かかとを壁につけて、腰の隙間に手のひら1枚分が入る程度に保ちます。
腰と壁の隙間が大きいと反り腰、小さすぎると猫背。これを毎日数十秒意識するだけでも姿勢が安定してきます。
「姿勢を意識するだけで腰痛が軽くなるんですね!」と驚かれる方が多いですよ。
② 座り方とイス選び
デスクワークをされている妊婦さんは、座り方も腰痛の大きな要因です。
・骨盤を立てて座る
・足の裏を床にしっかりつける
・お尻の後ろにタオルを入れてサポートする
この3つを意識すると腰回りの負担がぐっと減ります。
「イスが合っていないな」と感じる方には、バランスボールに数分座って骨盤をゆらす運動もおすすめ。
これが簡単な骨盤体操になって、腰痛予防にぴったりです。
③ 睡眠時の工夫
妊婦さんからよく相談されるのが「夜、腰が痛くて眠れない」という悩み。
・横向きで寝るときは膝の間にクッションをはさむ
・仰向けで寝るときは膝の下に枕やタオルを置く
このように腰と骨盤の角度を調整するだけで驚くほど楽になります。
「眠れるようになって体調が安定しました!」と報告をいただくことも多いですよ。
④ 軽い運動
「安静にしておいたほうがいいのでは?」と心配される方も多いですが、妊婦さんの腰痛には軽い運動がむしろ効果的。
代表的なのが マタニティヨガやウォーキング です。
・1日20分程度の散歩
・ヨガの「キャット&カウポーズ」(四つん這いで背中を丸めたり反らしたり)
これらは腰回りの血流を良くして、腰痛だけでなく便秘やむくみの改善にもつながります。
⑤ 食生活の工夫
「え?腰痛と食事って関係あるの?」と驚かれるかもしれません。
でも、妊娠中は血行や代謝が大きく変化しているので、食べ物の影響は想像以上に大きいんです。
・体を冷やす冷たい飲み物は控える
・生姜や根菜、ネギなど体を温める食材を意識する
・カルシウムやマグネシウムをしっかり摂る
これらを心がけるだけでも血流が良くなり、腰痛が和らぎやすくなります。
鍼灸の効果と実際の症例
さて、ここで私が実際に担当した妊婦さんの症例を紹介します。
30代の女性で、妊娠7か月の頃に「腰痛で夜眠れない」と来院されました。
骨盤のゆるみと血流の悪さが原因と考え、腰と足に鍼とお灸を行ったところ、その日の夜から眠れるようになったとのこと。
翌週には「だいぶ楽になりました!」と笑顔で報告していただき、私自身も嬉しかったのを覚えています。

鍼灸は薬を使えない妊娠中でも安心して受けられる点が大きな魅力です。
特に 「安産のためのお灸」 は昔から伝わる方法で、腰痛緩和だけでなく出産をスムーズにする効果も期待できます。
注意点とまとめ
ここまで「妊娠中の腰痛対策」についてお話してきましたが、最後に大切なことを。
・自己判断で市販の湿布や薬を使わない
・痛みが急に強くなったときは必ず医師に相談する
・無理のない範囲で姿勢・食事・運動を工夫する
・鍼灸は安全性が高いが、必ず妊婦さんへの施術経験がある治療院を選ぶ
これらを守りつつ、少しずつ生活に取り入れていただければと思います。
妊娠中の腰痛は「赤ちゃんを育てている証拠」でもあります。
だからといって我慢する必要はありません。
体を整えていくことで、ママ自身も赤ちゃんも心地よく過ごせるようになります。
「妊娠中だから仕方ない」と諦めず、できるケアを取り入れていきましょうね(^^)

この記事へのコメントはありません。