トレーニングの効果はいつ出る?(前半)
最初の疑問「どれくらいやれば変わるの?」
最近はどこに行ってもジムがありますよね。24時間営業、月額制、パーソナル、暗闇で音楽ガンガンのスタジオまで。もはやコンビニより多いんじゃないかと思うくらいです。
「よし、俺も今年こそ筋トレ始めるぞ!」
「夏までに腹筋を割るんだ!」
そんな意気込みで入会したものの…3か月後にはカードだけ財布に眠ってる人、多いですよね。
はい、僕もその一人でした(笑)。3か月で2、3回行って終了。もはや「会費を払いに行くジム」と化してました。

でも、そんな僕でも気になるのはコレです。
「トレーニングってどれくらいで効果が出るん?」
目安がないと頑張れませんよね。「半年やってやっと効果です」なんて言われたら、もうその場で挫折する人もいるでしょう。
トレーニング効果は“数時間後”から始まる!?
意外に思われるかもしれませんが、実はトレーニングを始めてほんの数時間後から、体には変化が起き始めます。
「え?マジで?さっきスクワット10回しただけやけど?」
そう思った方、大丈夫。嘘じゃありません。
筋肉そのものが急に太くなるわけではありませんが、脳がスイッチを入れ始めるんです。
具体的には「神経の目覚め」と呼ばれる現象。筋肉を動かす神経が目を覚まし、「もっと多くの筋繊維を同時に使え!」と脳が指令を出すようになります。
つまり最初の数回のトレーニングだけで、脳は筋肉に「全集中!」モードをオンにするんですね。
筋肉が大きくなるのはいつ?
ここで「じゃあ見た目はいつから変わるの?」という疑問が出ますよね。
答えは…正直時間がかかります。
腹筋バキバキにしたいなら、かなり辛抱が必要です。
一般的に、筋肉のサイズが実際に少しずつ大きくなり始めるのは 2週間後 くらいからだと言われています。
この時点では「ちょっと調子いいな」くらいの変化。服を脱いでも、まだ他人にはほぼ気づかれません。
さらに続けていくと、約9週間後 にようやく筋肉と脂肪の組成の変化が高度な測定機器で確認できるレベルになります。
「え、3か月もやらなあかんの!?」
そう、ここで多くの人が心折れるんです(笑)。
東大の研究で分かったこと
2010年に東京大学が行った研究では、トレーニングを始めてからの変化が明確に示されました。
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2か月後 → 力の強さが最も向上
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3か月後 → 筋肉量の最大の増加
つまり、2~3か月は頑張って続けないと「うわ!体変わった!」とはなりにくいということ。
ただし、この研究は週に4回のハードトレーニングを行った人たちの結果です。普通の人が週1~2回ゆるっとジムに行った程度では、6か月以上かけてようやく「お、ちょっと筋肉ついた?」と自覚できるレベルでしょう。
脂肪はいつ落ちる?
筋トレと並んで気になるのが「脂肪はいつから減るの?」という点。
ダイエット目的ならやっぱり有酸素運動が王道です。ウォーキング、ジョギング、自転車、水泳など。

ただし、これも「1週間でマイナス3キロ!」なんて劇的な変化はありません。
体型の変化が自分でもはっきり分かるには数か月単位での継続が必要です。
でも嬉しいことに、そのずっと前から体の中は変化を始めています。
有酸素運動を続けると ミトコンドリア が増えるんです。
このミトコンドリアは筋肉内で酸素をエネルギーに変える工場のような存在で、数が増えるほど効率的に脂肪を燃やせるようになります。
約6週間で1.5倍から2倍に増えると言われていますから、2か月続ければ「動きやすい体になってきた」と実感できるはずです。

健康のためなら“1回でもOK”
ここまで話すと「結局バキバキになるのは半年以上かかるんか…」と絶望しそうですが、健康のために運動するなら話は別です。
実は、ほんの1回の運動でも体は変わり始めます。
血流が良くなり、血圧や血糖値に良い影響が出ます。脳もスッキリして、夜の寝つきが良くなる方もいます。
だから「バキバキになりたい」なら半年以上かかるけど、
「健康のためにちょっとでも良くしたい」なら今すぐ効果があるんです。
これ、めちゃくちゃ嬉しい事実じゃないですか?
前半まとめ
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トレーニング効果は数時間後から始まる(神経の目覚め)
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見た目が変わるのは2週間以降、はっきりするのは3か月以上
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有酸素運動は6週間ほどで脂肪燃焼効率が大きくアップ
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健康のためなら1回でも効果がある
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バキバキの体が欲しい人は半年以上の継続が必須
トレーニングの効果はいつ出る?(後半)
効果はどれくらい持続するの?
せっかく頑張って筋トレやランニングをしたのに、「もし休んだらどうなるん?」って気になりますよね。
「1週間休んだら全部パーです」とか言われたら、怖すぎて旅行にも行けません。
安心してください。そんな一瞬でゼロになるわけではありません。
デンマークで行われた研究によると、運動をやめてから 2~3週間後 に体の変化が出てくることがわかっています。具体的にはインスリン感受性(糖の代謝能力)や脂肪燃焼能力が下がってくる。
つまり「休んだら即リセット」ではなく、「2週間くらいはまだ持ってるで!」ということです。
持久力はどれくらい保てる?
特に気になるのが持久力。マラソンやランニングをしていた人なら、「あの持久力ってどれくらいで消えるん?」と思いますよね。
実は持久力は、運動をしなくても約 2週間は維持できます。
しかし、そこから先は一気に落ちていき、4週間以上経つと「ほぼ運動を始める前の状態」に近づいてしまうんです。
ここでショックを受けた人も多いかもしれません。
でもこれは逆に言えば「ちょっとでも続ければ維持できる」ということでもあります。

長年やってきた人は有利
朗報です。
長い間運動を習慣にしてきた人は、サボっても落ち方がゆるやかです。
なぜかというと、長年の運動で大きくなった心臓や発達した毛細血管はすぐにはなくならないから。これが「運動の貯金」と言われるものです。
たとえば週6回トレーニングしていた人が、忙しくて週2回に減らしても、心臓の大きさや酸素摂取能力はしっかり維持できます。
つまり「昔やってた運動」は無駄にならないんです。体にはちゃんと蓄積されているんですね。
休んだら逆に良くなることもある?
ちょっと面白い話をすると、追い込みまくってた人がしばらく休むと、逆に筋力が伸びることもあるんです。
「え、休んだほうが強くなるん?」とツッコミたくなりますよね。
これは筋肉にしっかり休養が与えられることで“腱”が発達するからだと言われています。つまり、今まで疲労困憊していた筋肉がリフレッシュして、より強く働けるようになるイメージです。
ただし、この効果が続くのは数週間。ずっと休んでいたらもちろん元に戻ります(笑)。
東大の研究が示す「休んだ時の変化」
先ほど前半でも触れた東大の研究ですが、ここで面白い結果が出ています。
3か月の集中的なトレーニングを行った被験者の筋肉は、わずか1か月の休養でトレーニング開始前の状態に戻った のです。
ただし希望もあります。筋肉そのものは落ちても、神経系の適応(「神経の目覚め」ですね)は数か月間維持されました。
つまり「筋肉は落ちても、体は使い方を覚えている」ということです。だから再開した時に戻るのも早いんです。
維持するコツは“ちょっとでもやる”
ここまで聞くと「休んだら落ちるやん…」と絶望しそうですが、維持はそんなに難しくありません。
答えはシンプル。ちょっとでも運動を続けること。
忙しくても、短時間でもいいんです。
たとえば「今日は5分だけスクワット」「今日は1駅分だけ歩く」でもOK。
有酸素運動も筋トレも、一から作り上げるのは大変ですが、維持するのは意外と楽なんです。だから「ゼロにしない」ことが大事。
続けるための目標設定
結局、トレーニングを続けられるかどうかは「目標の立て方」にかかっています。
「夏までにシックスパック!」といったゴールは分かりやすいけど、長続きしないことが多いです。
それより「毎日ちょっとでも体を動かす」「運動後のビールをおいしく飲む」といった、生活に密着した目標のほうが継続しやすいです。
さらに、運動の目的を「バキバキボディ」ではなく「健康」にフォーカスすると、心理的なハードルがぐっと下がります。
シューズとインソールでケガを防ぐ
ここで大事なことをもうひとつ。
運動を始めたばかりの人がよくやってしまうのが「頑張りすぎてケガする」パターン。
特に「痩せたい!」と気合を入れてランニングマシンで走り込み、結果的に足底筋膜炎や膝痛になる人が本当に多いんです。
そうならないために、シューズ選びとインソールはめちゃくちゃ大事。
体を変えるどころか、痛みで運動をやめざるを得なくなったら元も子もありません。正しいサポートを使うことで、パフォーマンスまで上がるんです。
面白いけど本当の話「太めが長寿?」
最後にちょっと意外なデータを。
アメリカの研究では、週に2回ほど運動をしている“少しぽっちゃり”の人が最も長生きするという結果が出ています。
「なんや、ちょっと太っててもええんか!」と安心する方もいるかもしれません(笑)。
実際、脂肪は体を守る働きもありますし、無理にガリガリを目指す必要はありません。
健康と美しさのバランスを大事に、自分に合ったペースで運動を続けるのがベストです。
後半まとめ
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運動効果は約2週間は持続するが、4週間休むと元に近づく
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長年やってきた人は「運動の貯金」が効いて落ちにくい
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休養で一時的にパフォーマンスが上がることもある
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神経の適応は数か月持続するので再開しやすい
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維持するコツは「ゼロにしないこと」
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シューズやインソールでケガを防ぎ、長く続ける環境を整える
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健康目的なら「ぽっちゃり+適度な運動」が意外と最強


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