こんにちは。リード鍼灸整骨院の寺下です。
在宅ワークを始めてから、以前よりも肩や首がこるようになった。夕方になると腕が重く、マウスを動かすのもつらい。首を回すと引っかかるような感覚がある。
当院でも、このようなご相談を受けることがあります。
在宅ワークは通勤の負担を減らせる一方で、長時間座ったままになりやすく、仕事をする机や椅子も身体に合っているとは限りません。ダイニングテーブルや低いノートパソコンを使い続け、気づかないうちに首や肩へ負担をかけている方も少なくありません。
この記事では、在宅ワークで肩・首・腕がつらくなる理由と、今日から見直せる仕事環境について分かりやすく解説します。
在宅ワークで肩こり・首こりが起こりやすい理由
在宅ワークで身体がつらくなる大きな要因の一つが、長時間同じ姿勢を続けることです。
会社で働いていると、会議室へ移動したり、資料を取りに行ったり、同僚と話すために立ち上がったりします。しかし、自宅ではパソコンの前だけで仕事が完結しやすく、身体を動かす機会が大きく減ります。
集中していると、2時間、3時間と同じ姿勢を続けてしまうこともあります。
問題は、姿勢が悪いことだけではありません。たとえ見た目にはきれいな姿勢で座っていても、同じ姿勢を長時間保ち続ければ、首、肩、背中などの筋肉には負担がかかります。
クリーブランド・クリニックも、理想的な姿勢を一日中固定することより、姿勢を変えてこまめに動くことが重要だと説明しています。
つまり、在宅ワーク対策では「正しく座り続ける」ことだけではなく、「同じ姿勢を続けない」ことが大切です。
出典:https://my.clevelandclinic.org/podcasts/health-essentials/how-to-avoid-tech-neck-with-dr-andrew-bang
首が前に出る姿勢が、首や肩へ負担をかける
在宅ワークで特に注意したいのが、パソコン画面をのぞき込む姿勢です。
ノートパソコンはキーボードと画面が一体になっているため、手の位置に合わせると画面が低くなります。その結果、頭が前へ出て、背中が丸くなり、肩も前方へ入りやすくなります。
この姿勢を続けると、頭を支える首の後ろ側や、肩甲骨周囲の筋肉が緊張しやすくなります。首から肩にかけて重さを感じたり、首を動かしにくくなったりする原因の一つになります。
ただし、「頭が少し前に出ただけで必ず神経が圧迫される」「首に何十キロもの力が加わる」と単純に断定することはできません。
首の痛みには、筋肉の緊張、関節の変化、神経の問題、けが、ストレスなど、さまざまな原因があります。姿勢はその一つであり、すべての症状を姿勢だけで説明することはできません。
メイヨー・クリニックは、パソコンをのぞき込むような姿勢が首の筋肉へ負担をかけ、首痛の一般的な原因の一つになると説明しています。
出典:https://www.mayoclinic.org/diseases-conditions/neck-pain/symptoms-causes/syc-20375581
まずは30分から1時間に一度、姿勢を変える
在宅ワーク中に今日からできる対策は、定期的に席を立つことです。
必ずしも本格的なストレッチをする必要はありません。
飲み物を取りに行く、立ち上がって数歩歩く、腕を上に伸ばす、肩をゆっくり回す。それだけでも、同じ姿勢をいったん解除できます。
おすすめは、30分から1時間に一度を目安に、姿勢を変えるきっかけをつくることです。
ただし、体格、仕事内容、症状によって適切な間隔は異なります。時計の数字にこだわりすぎるよりも、「首や肩が固まる前に動く」という意識を持つほうが続けやすいでしょう。
パソコン画面に集中すると、身体の疲れに気づきにくくなります。スマートフォンのアラームやパソコンの通知機能を使って、立ち上がる時間を決めておくのも一つの方法です。
出典:https://www.mayoclinic.org/healthy-lifestyle/adult-health/multimedia/neck-stretches/vid-20084697
パソコン画面は、顔を大きく下げずに見られる高さへ
デスク環境を見直す際、最初に確認したいのが画面の高さです。
画面が低すぎると、文字を見るたびに頭が前へ落ち、首を曲げた姿勢になりやすくなります。反対に、画面が高すぎても、あごが上がって首へ負担がかかります。
基本的には、顔を大きく下へ向けなくても画面を確認できる高さに調整します。
ノートパソコンを使っている場合は、専用スタンドや安定した台を使って画面を上げ、外付けのキーボードとマウスを使用すると、画面と手の位置を別々に調整できます。
ただし、雑誌や不安定な箱を高く積み上げると、パソコンが落下する危険があります。安定性を確認し、無理のない高さにしてください。
マサチューセッツ総合病院も、長時間画面を見下ろさず、頭と首をできるだけ中間的な位置に保てる作業環境を勧めています。
出典:https://www.massgeneral.org/orthopaedics/news/creating-a-healthy-work-from-home-space
椅子と机は、身体に合わせて調整する
在宅ワークでは、身体を机に無理やり合わせるのではなく、できる範囲で机や椅子を身体に合わせることが重要です。
椅子に座ったときは、足裏が床または安定した足台につき、太ももや膝裏が強く圧迫されない高さを確認します。
背もたれには軽く身体を預け、腰や背中が不自然に丸まりすぎない位置を探します。
机が高すぎると、キーボードを操作するたびに肩が上がります。反対に低すぎると、身体を前へ倒して画面やキーボードを使うことになります。
キーボードを操作するときは、肩をすくめず、肘を身体の近くに置ける高さを目安にします。肘の角度は、必ず正確に90度でなければならないわけではありません。身体に力が入りすぎず、手を自然に動かせることが重要です。
環境を少し変えただけで症状がすべて消えるわけではありませんが、毎日何時間も使う場所だからこそ、小さな負担を減らす意味があります。
出典:https://health.clevelandclinic.org/heres-how-to-set-up-your-office-to-avoid-aches-pain
マウスを遠くに置くと、肩や腕が疲れやすい
画面や椅子を調整しても、マウスが遠くに置かれていると、肩や腕への負担が残ります。
マウスを操作するたびに腕を前へ伸ばしていると、肩が前方へ引かれた姿勢が続きます。特に、数字入力用のキーが付いた横幅の広いキーボードでは、マウスが身体から遠くなりやすいため注意が必要です。
マウスはキーボードの近くに置き、肘を身体の横から大きく離さずに操作できる位置へ調整しましょう。
また、手首だけを小刻みに動かし続けるより、前腕や肘も含めて無理なく動かすほうが、一か所への負担を集中させにくくなります。
マウスの大きさが手に合わない、クリックが硬い、長時間強く握っているといった問題も、手首や前腕の疲労につながることがあります。
クリーブランド・クリニックは、同じ動作の繰り返しや継続的な使用によって、筋肉、腱、神経などに反復性の負担が生じることがあると説明しています。
出典:https://my.clevelandclinic.org/health/diseases/17424-repetitive-strain-injury
後編では、手首の位置、腕のしびれを単なる肩こりと決めつけてはいけない理由、自宅でできる安全な運動、医療機関へ相談すべき症状について解説します。





