70代女性・変形性股関節症|手術後から約1年で2時間歩けるように!
最初のきっかけは自転車での転倒だった
どうも!越田です!
今日は僕が担当している70代女性の患者様のケースをシェアしたいと思います!これがほんとに劇的な回復で、めちゃくちゃ感動したので熱く語らせてください!笑
最初に来院されたときの状況をお話しします。きっかけはなんと自転車での転倒でした。
転倒後から膝に腫れと強い痛みが出て、歩くことも非常に困難な状態、足が思うように上がらないという状態で来院されました。
70代という年齢を考えると、転倒による影響がいかに大きいか、改めて実感しましたね。
最初は膝の治療からスタートしました。治療を丁寧に進めていくうちに膝の腫れは少しずつ引いてきて、動きも改善の兆しが見えてきた!よし順調!と思っていたんですが…実は股関節の動きもかなり悪いことが同時にわかってきたんです。
股関節を他動的に、つまり僕が手で動かしてあげると正常範囲で動くんです。
でも患者様自身が自分で動かそうとすると股関節の屈曲がわずか45度くらいまでしか上がらない。これはおかしいぞ!絶対に何かある!と直感的に感じました。
ここが整骨院・鍼灸院での診察の重要なポイントで、膝だけを診て「膝の治療だけすればいい」という判断にならず、身体全体を多角的に診ていくことで、こういった隠れた問題を早期に発見できるんです。これが当院の強みでもあります。

まさかの診断結果…すぐに手術が必要なレベルの変形だった
股関節の動きの異常を発見した後、最初は大腿神経痛や腰部からくる神経の問題を疑いました。
腰椎からの神経圧迫が股関節の動きに影響を与えているケースも少なくないからです。でも今回は念には念を入れて、整形外科への受診をしっかりとすすめました。
結果を聞いてびっくり仰天でした!
「すぐに手術が必要なレベルの変形があります。よくこれで歩けていましたね」
と整形外科の先生に言われたんです!患者様も、もちろん僕もほんとうに驚きました。
自覚症状として痛みはあったものの、まさかそこまで進行しているとは思っていなかったと患者様もおっしゃっていました。
変形性股関節症というのは、股関節の軟骨がすり減り、骨が変形することで痛みや動きの制限が生じる病気です。
特に中高年の女性に非常に多く、日本国内では120万〜500万人もの患者がいると言われています。女性が全体の約9割を占めるというデータもあるほどです。
股関節は体の奥深くにあるため自覚症状が出にくく、違和感や痛みといった症状が現れたときにはすでにかなり症状が進行していることも少なくありません。
今回の患者様もまさにそのパターンでした。
また変形性股関節症は、日本人の場合、臼蓋形成不全(股関節の骨の形が先天的に浅い状態)が原因となるケースが全体の約8〜9割を占めると言われています。加齢による変化に加えて、こういった先天的な要因が重なることで、中高年以降に一気に症状が悪化することがあります。

出典:Mayo Clinic – Osteoarthritis symptoms & causes https://www.mayoclinic.org/diseases-conditions/osteoarthritis/symptoms-causes/syc-20351925
手術後、いよいよ本格的な治療スタート!鍼灸と東洋医学の力
手術を無事に終えて再び当院に来院されました。手術によって股関節の痛みはなくなり、動きも改善。よし、ここからが本番だ!と気合を入れ直しました!
でも、手術後に新たな問題が出てきました。下肢、特に下腿つまりふくらはぎのあたりの浮腫、だるさ、重さがなかなか取れないんです。歩けるようにはなってきているのに、この足の重だるさが患者様にとって大きなストレスになっていました。
ここで鍼灸治療と東洋医学的アプローチの出番です!
この患者様を東洋医学的に診ていくと、腎系と消化器系が弱っている状態でした。
東洋医学では「腎」は生命エネルギーの根本であり、足腰の力や体の水分代謝とも深く関わっています。腎のエネルギーが低下すると足腰の衰え、冷え、むくみに直結します。
また消化器系の弱りは体全体の気血の流れを滞らせ、四肢末端の冷えやだるさを引き起こします。
手足の冷えが非常にきつい状態でしたので、腎系・消化器系にアプローチした鍼灸治療と、毎日のお灸を並行して行うことにしました。
お灸って地味に見えるかもしれないですけど、これがほんとうに効果があるんです!
お灸の熱刺激によって血流が改善され、冷えが取れ、身体の内側からエネルギーが高まっていく。毎日継続することで少しずつ確実に変化が出てきます。患者様にもご自宅でのセルフケアとしてお灸を続けていただきました。

出典:Mayo Clinic – Osteoarthritis diagnosis & treatment https://www.mayoclinic.org/diseases-conditions/osteoarthritis/diagnosis-treatment/drc-20351930
股関節の動きを再教育!神経系伝達トレーニングも並行して実施
鍼灸治療と並行して取り組んだのが、股関節の動きの再教育と神経系の伝達トレーニングです。これが今回の回復において非常に重要なポイントでした!
手術後の身体というのは、痛みが取れていても脳と身体のつながり、つまり神経系の伝達が上手くいっていないことがよくあります。
「動かしたい」という脳からの命令が出ても、筋肉がしっかりと反応しない、正しいタイミングで動かない、という状態が続くことがあります。
特に長期間、痛みをかばい続けてきた身体は、正常な動きのパターンを忘れてしまっていることが多いんです。
だからただ筋肉を鍛えるだけでは不十分で、神経系の再教育として正しい動きのパターンを繰り返しトレーニングしていくことがすごく重要なんです!
具体的には、股関節を正しく使った動きを少しずつ段階的に練習していきました。
最初はほんとうに小さな可動域の動きから始めて、身体が正しいパターンを覚えてきたら少しずつ負荷と範囲を広げていきました。焦らず、丁寧に、一歩一歩。これが鉄則です!
患者様が真剣に、そして根気強く取り組んでくださったことが本当に大きかったです。「先生についていきます」という言葉が励みになりました!

治療開始から約1年…2時間歩けるように!!これが本当の意味での回復
そして治療開始からおよそ1年が経過しました。
結果はなんと2時間歩き続けても平気なくらいまで回復したんです!!
この報告を患者様から聞いたとき、僕の中でガッツポーズが止まりませんでした!笑 最初は歩行困難で足も上がらなかった、自転車の転倒から始まったあの状態を考えると、ほんとうに劇的な、素晴らしい回復です。
変形性股関節症の治療において、手術はあくまでもスタートラインです。
術後のリハビリと継続的な運動療法、そして身体全体へのアプローチが回復の鍵を握っています。Mayo Clinicの専門家も、変形性股関節症の回復において運動療法の継続が長期的な痛みの軽減と関節機能の改善に直結すると強調しています。
ウォーキングや水中運動など関節に過度な負担をかけない運動を継続することが、長期的な改善につながります。

出典:Mayo Clinic – https://newsnetwork.mayoclinic.org/discussion/mayo-clinic-q-and-a-managing-osteoarthritis-for-hips-and-knees/
姿勢の癖を改善中!運動を続けることの大切さを改めて実感
でもまだ終わりじゃないんです!まだまだ治療は続いています!
転倒後・手術後の影響なのか、転ぶのを避けようとする防衛本能から、重心を低く保ち、足元を見ながら歩く姿勢が完全に癖になってしまっています。
この姿勢、転倒防止という意味では理にかなっているんですが、長期的には首・肩・胸椎・腰椎への大きな負担につながります。前かがみで視線が常に下を向いている姿勢は、頚椎のカーブを崩し、肩こりや頭痛、さらには呼吸の浅さにまで影響を与えることがあるんです。
なので現在はその姿勢改善も含めた治療を継続しています。正しい重心のかけ方、視線の位置、体幹の使い方、歩行のリズムと左右のバランス…こういった細かいけれど重要なポイントを丁寧に、一つひとつ修正していく作業を続けています。
今回のケースを通じて改めて強く感じたのは、運動を続けることの圧倒的な重要性です!

どんなに良い治療を施しても、日常的に身体を動かさなければ機能は戻りません。逆に言えば、継続して正しく動かし続けることで、手術後であっても、70代という年齢であっても、これだけの劇的な回復ができるということを、この患者様が証明してくれました。
諦めないこと、継続すること、そして専門家と一緒に正しい方向で努力すること。この3つがそろえば、人間の身体はちゃんと応えてくれます。
これからも患者様と一緒に、より良い身体を目指して頑張っていきます!!次回の報告もお楽しみに!
