上がらない肩・・痺れる指先の原因とは?痛みと痺れからの解放

80代女性・往診患者様|指先のしびれと肩が上がらない状態からの回復

こんにちは、山田です。

今回は、もともと膝の痛みで往診に伺っていた患者様の症例をご紹介します。80代の女性の方です。

数ヶ月前の往診時に、「最近、指先がしびれるんです」という訴えがありました。膝の治療のために定期的に伺っていたので、その変化にすぐ気づくことができました。

往診という形で継続的に関わっているからこそ、こういった新しい症状を早めに拾い上げることができます。これは往診の大きなメリットの一つだと感じています。

訴えを聞いてすぐに頸部から肩にかけて確認してみると、筋緊張がかなり強い状態でした。さらに肩の可動域を確認すると、少ししか上がらない状態。肩甲骨の動きも非常に悪く、全体的に固まりきっているという印象でした。

指先のしびれ・肩が上がらない・肩甲骨が動かない。これらが同時に起きていたこの症例、実はとても大事なことを教えてくれました。それは「症状は一つひとつ別々に考えるのではなく、つながりとして見る必要がある」ということです。


なぜ指先がしびれていたのか

80代という年齢を考えると、頸部の筋緊張や関節の変化が神経に影響を与えやすい状態になっていることが多いです。

頸部から肩にかけての筋肉が硬くなると、その周囲を走る神経や血管が圧迫されやすくなります。特に指先へのしびれは、頸部から腕にかけての神経の流れが滞っているサインであることが多いです。筋緊張が強ければ強いほど、神経への圧迫も強くなり、末端である指先にしびれとして現れます。

さらにこの患者様は肩甲骨の動きが非常に悪い状態でした。肩甲骨が動かないと、肩から腕全体の動きが制限されるだけでなく、頸部への負担がさらに増えます。肩甲骨が正常に動かないことで頸部の筋肉が代わりに頑張ろうとし、そのせいでさらに筋緊張が強まるという悪循環が起きていました。

 

出典:https://www.mayoclinic.org/diseases-conditions/cervical-spondylosis/symptoms-causes/syc-20370800


鍼が苦手な方への対応|手技療法とお灸の組み合わせ

この患者様は鍼が苦手な方でした。鍼治療は効果が高い治療法ですが、苦手意識がある方に無理に行うことはしません。患者様が安心して受けられる治療を選ぶことが、結果的に最も良い回復につながると考えています。

そこで今回は手技療法・超音波治療・お灸の組み合わせで施術を進めました。

手技療法では、頸部から肩にかけての筋緊張を丁寧にほぐしていきました。80代という年齢を考慮して、強い刺激は与えず、筋肉が自然に緩むような圧とリズムで行いました。

超音波治療は、手技だけでは届きにくい深部の組織に直接働きかけることができます。頸部から肩にかけての深い部分の血流を改善し、筋緊張の緩和と神経周囲の循環回復を目指しました。

そしてお灸です。肩を中心にお灸を据えると、日を追うごとに指先のしびれが改善されていきました。お灸は熱の刺激によって血行を促進し、筋緊張を緩和する効果があります。

鍼が苦手な方でも受け入れやすく、温かさとともにじんわりと体が緩んでいくのを感じていただけます。特に高齢の方の冷えや血行不良にはお灸が非常に効果的です。

出典:https://www.clevelandclinic.org/health/treatments/22483-acupuncture


肩甲骨の動きを取り戻すまでの過程

肩甲骨の動きの改善には、丁寧な時間が必要でした。

最初は手技療法で周囲の筋肉をしっかりほぐしてから、他動運動で肩甲骨を少しずつ動かしていきました。他動運動とは、患者様自身の力ではなく、施術者が手を添えてサポートしながら関節を動かす方法です。

自分では動かせない範囲を、無理のない範囲でそっと動かしていくことで、固まった関節と筋肉に少しずつ動きを取り戻させます。

高齢の方の関節や筋肉は、若い方と比べて回復に時間がかかることがあります。だからこそ「少しずつ、無理なく」を徹底しました。毎回の往診で少しずつ可動域が広がっていくのを確認しながら、焦らず積み重ねていきました。

そして2ヶ月も経たないうちに、肩が真上まで上がるようになりました。最初はほとんど上がらなかった状態からここまで改善したことは、患者様にとっても大きな喜びでした。「こんなに上がるようになるとは思わなかった」という言葉が印象的でした。

出典:https://www.hopkinsmedicine.org/health/conditions-and-diseases/shoulder-pain-and-problems


セルフケアとしての運動が回復を加速させた

今回の症例でもう一つ大きかったのが、往診以外の日にゴムバンドを使った肩周りの運動を行っていただいたことです。

正直に言うと、私自身これまでゴムバンドを使った運動をそれほど積極的に取り入れてきませんでした。しかし今回のケースで、施術と自主運動を組み合わせることで回復のスピードが明らかに上がることを実感しました。

施術で筋肉を緩め、関節の動きを取り戻す。そこにゴムバンドを使った運動を加えることで、緩んだ筋肉に適切な刺激が入り、筋力が少しずつ回復していきます。

筋肉は使わなければどんどん衰えていきます。特に高齢の方は筋力の低下が早いため、施術と運動の両輪を回すことがとても重要です。

この患者様は往診のない日も毎日きちんと運動を続けてくれました。「先生に言われたからやってみたら、だんだん楽になってきた」とおっしゃっていました。継続してくれたことが、2ヶ月以内という短期間での大きな改善につながったと確信しています。

出典:https://www.ncbi.nlm.nih.gov/books/NBK547transfer/

出典:https://www.mayoclinic.org/healthy-lifestyle/fitness/in-depth/exercise/art-20048389


痛みが消えた今も続ける理由|予防とメンテナンスの大切さ

肩が完全に上がるようになり、指先のしびれも改善された今も、この患者様はゴムバンドを使った運動を続けてくれています。

なぜ続けるのか。それは「治ったから終わり」ではないからです。特に高齢の方は、運動をやめると筋力が落ちるスピードが早く、せっかく取り戻した可動域がまた失われてしまうことがあります。

今の状態を維持し、さらに良い状態を保ち続けるためには、継続的な運動とメンテナンスが欠かせません。

また当院では、機械を使った運動も行っていただくことができます。

ゴムバンドだけでなく、体の状態に合わせたさまざまな運動を取り入れることで、より効果的に筋力と柔軟性を維持することができます。

往診に来ている方・通院されている方、どちらにとっても運動は大切です。「施術を受けるだけでいい」ではなく、日常の中に運動を取り入れることで、回復が早まり、再発を防ぐことができます。

 

指先のしびれ・肩が上がらない・肩こりや頸部の張り。こういった症状を「年だから仕方ない」と諦めないでください。80代の方でも、しっかりケアすればここまで改善できます。気になる症状があれば、ぜひ一度ご相談ください。

山田でした。

 

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