どうも鍼灸師の岡本です。
今回は顎関節症に有効な自宅療法をお伝えしたいと思います。
顎関節症の自宅療法は原因改善と現症状の治療を同時に行います。
まず原因を改善させるケアとして欠かせないのがTCHの是正訓練です。
TCHとは、上の歯と下の歯を接触させてしまう癖のことで、
顎関節症は多因子疾患なのでTCHだけが原因というわけではないですが、80%以上の人にTCHがあり数多くの寄与因子の中でも非常に高い割合を占めるとされています。
知ってるだけで顎関節症が劇的に改善する!原因はまさかの○○?
こちらの記事にもこのことについて書かせてもらいました。
本来、会話、咀嚼時(食べ物を噛む)、嚥下時(食べ物を飲み込む)以外接触することの無い上下の歯を
無意識のうちに長時間接触させてしまい、顎関節に負担をかけ続けてしまいます。
TCHの是正方法のポイントとして
ステップ1.TCHの認知→歯が接触していることが自分にとって不利な事であると理解する
ステップ2.具体的な変容行動の実施→自分の目の付く所に貼り紙をする
ステップ3.変容行動の常習化→歯の接触に気付くまでの時間が短縮してくる
本来、何もしていない状態では0.5mm~2mmほどの空間が開いているはずの上下の歯を意図的にグッと噛みこんでみてください。
顎関節付近がボコッと膨隆しますね。さらにこめかみも触ってみてください。ここも力が入り動くのが分かります。
そのままグググ~~ッと噛み締め続けてパッと力を抜いてみます。すごく楽に感じますね。
いかに関節と筋肉に負担をかけているか、しかしこれを認知していなのです。これがTCHの恐ろしさです。
やってもらうことは簡単です。顎の力を抜く。
これを実践してもらう為に私が良くお願いするのが貼り紙です!
TCHって癖なので無意識にやってしまうんです。これを意識し続けるのって絶対に無理なんです。
それで解決するならこの世から癖というものは消え去ります。
そこで貼り紙です。「脱力!」「リラックス」など自分が見てTCHのことを思い出せるなら書いてることは何でもいいです。
生活の中でよく目に付く所。
トイレのドアやテレビの電源ランプの下、カーナビの横や職場のパソコンの隅まで最低でも10枚は貼りましょう。
貼り紙が恥ずかしいなら代わりの物でもいいでしょう。リボンや折り紙など、それを見てあごの力を抜くことを思い出せるようにしてください。
これで忘れていても貼り紙が目に入るたびにTCHのことを思い出せます!
貼り紙が目に入る→TCHに気付く→あご脱力するこの流れを作ってください。
でもだんだん意識から外れる→TCH忘れる→あごに力はいる
ってなります。絶対なります。これを何回も何回も何回も繰り返しているうちにだんだんとTCHに気付く頻度が上がってきます。
最終的には貼り紙を見る前にあごの脱力が出来る様になればTCHの是定は完了です。
何度も言いますが顎関節症の原因はTCHだけではありません。
頬杖・猫背・爪や筆記用具など異物を噛む癖・うつ伏せ読書・うつぶせ寝・歯ぎしり・ストレスetc.
大きなあくびまでもがあごへ負担を掛けてしまいます。
これらも是正方法は上記と同じです。頑張って意識を植え込んでいきましょう。
では次に、今症状が出てしまった時のセルフケアについてです。
- 痛みが出た時
- 口が開かない、または音が鳴る時
- セルフマッサージのやり方
まずは、炎症があるかどうかのチェックからです。
動かさなくてもジンジンと痛みを感じる場合はほぼ確実に炎症を起こしています
保冷材などでアイシングしましょう。
動かすと痛みを感じる場合はさらに、痛みを感じる所を指先でトントン叩いてみて下さい。
ジンジン響くような痛みがある→炎症あり!アイシング!
叩く感覚のみ→筋緊張!セルフマッサージ!ホットパック!
って感じで判断してください。
保冷材でアイシングするときは最低でも5分~10分はするように!
さらに、炎症がある場合でもアイシング後にセルフマッサージを行ってください。
ホットパックは市販のものが手元になければぬれタオルを電子レンジで温めたものでもOKです。
火傷しない温度に冷ましてから5分程温めるといいでしょう!
この症状に痛みが伴う場合は1.痛みが出た時 に基づいた処置を行うようにしてください。
痛みはないが開口制限や開口時に音が鳴る場合も基本的にはセルフマッサージで大体改善するのですが、
それでも改善しない場合はホットパックで幹部を温め安静にして回復を待ちましょう。
では顎関節症のセルフマッサージはどのようにすればいいのか。
- 咬筋(こうきん)
- 側頭筋(そくとうきん)
- 外側翼突筋(がいそくよくとつきん)
- 内側翼突筋(ないそくよくとつきん)
この4つの筋肉が顎関節症に関係の大きい代表的な筋肉ですが、実際に体表から触れることが出来るのは咬筋と側頭筋のみです。
歯をグッと噛み締めた時にあごのいわゆるエラの角でボコッと膨れ上がる筋肉が咬筋です。
人差し指と中指の腹でゴリゴリと縦方向に指を動かしましょう
ポイントは強く押し過ぎない事!
強すぎるマッサージは症状を悪化させてしまう事もあります。強く押せばいい!多少痛い方がよく効く!
これは間違った認識です!気持ちのいいマッサージを心掛けましょう。
側頭筋はこめかみ手を当てて噛み締めてみて下さい。ググっと動く筋肉があるかと思います。
そこをこちらも指2本で縦方向にグリグリです!
縦方向ってのが結構大事で、筋膜の走行的に短時間で有効なマッサージが可能です。
どちらも時間的には15秒ほどで様子をみてみましょう。
症状によっては更に15秒ほどマッサージしましょう。
必ず症状の様子を見ながら行うように!不快な痛みがある場合はすぐにマッサージを中止してください。
以上が自宅で簡単にできる顎関節症の治療方法です。
顎関節症は放置禁物です!根気よく治療を続けていきましょう!
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