どうも!鍼灸師の岡本です。
椅子の正しい座り方とか正しい姿勢とか、よく質問をされます。最近ではデスクワークが増え、腰痛や坐骨神経痛に悩む人も増加しているためぜひ知っておきたい知識ですよね。
しかしこれは先に言わせてください。
正しい座り方=痛みの出ない座り方ではありません
今回は体の負担になりにくい椅子の座り方や椅子選びについてお話ししたいと思います。
この話をするには、そもそも「なんで人は椅子に座るようになったのか」というところから考えなければいけません。
楽だからって理由だけではなく
椅子に座るという行為は動物にまたがり支配するように権威を誇示する行為であり
快適な生活を送るための家具というよりは、座る者の権威を示す道具だったんですね。
大昔から背もたれの高さは座る者の権力の大きさが反映されています。
また王の前で椅子に座れたのは位の高い人達だけでした。
そもそもchairという単語も椅子だけでなく議長という意味も含まれていて、議長を務めることを「to be in the chair」といいます。
と、まぁこんな経緯があるものなので、椅子に座るときの正しい姿勢とされるのは
威厳のあるビシッとした凛々しい座り方です。
背筋を伸ばし、股関節と膝は90度に曲げた一見綺麗に見える着座姿勢は人間工学的には決して綺麗な姿勢とは言わないし快適でもありません。
ではどんな姿勢が人間工学的に正しい着座姿勢なんでしょうか?
ズバリ馬の鞍に跨る乗馬の姿勢!骨盤が軽く前傾し、適度に脚が広がったあの姿勢が理想なのです。
しかし現代の椅子ではこれを維持するのが非常に難しい!
現代の椅子は残念ながら、1日に何時間も座り続けられるようには作られていないのです。
本来なら馬の鞍のような形状の椅子が一番自然に楽な姿勢のキープできるのですが
200年以上もの間、デザインの進歩はあれど形状の抜本的な革命はありません。
座面の平らな椅子ばかり製造されています。
※ここで楽に座れて腰痛になりにくい椅子もご紹介しておきます。
バンバック・サドルシート
アーユルチェア
決して回し者ではありません・・・結構いいお値段するので購入はしっかり考えてください。
骨盤は横から見ると逆三角形をしています。
座面には坐骨の先端が接地することになるのですが、太ももの裏の筋肉に引っ張られて(座位では太ももの表の筋肉は弛緩し、裏の筋肉は張ってしまう)自然と骨盤が後継してきてしまうのです。
じゃあ、それをキープさせるには・・・?
圧倒的筋肉!姿勢が悪いのは筋力が足りないからだ!
筋力トレーニングをして姿勢をキープ!パワー!
ではなく
意識!なんですね(笑)
むしろ骨盤を前傾させアゴを引けば自然と上体は起き上がってくるので無駄な筋肉は使わなくてよくなります。
よっぽどのご年配者でなければ普段の生活の中で姿勢キープに筋力が不足しているなんてことはまずありません。
姿勢が悪いのは座り方を知らないか、意識が足りないかのどちらかです。
先ほど述べたように、人間は座面に対して上半身を支える面積が圧倒的に不足しています。
分かりやすくイメージするとピエロが積み上げた箱の上に立ち続けるようなもので、意識が途切れるとバランスを崩して落ちてしまいます。
ではどんな姿勢を意識すればいいのだ?
やっとこの話に到達しましたね!
この理想の姿勢とは冒頭で述べたようなカクカクのロボットのような正しい姿勢ではありません。
この姿勢は一見よく見えますが腰が反りすぎています。これを意識でキープするのは難しいですね。
これは明らかに骨盤が後傾しています。腰痛、坐骨神経痛バッチ来いです。
骨盤は軽度前屈を保ちながら上半身の力が抜け、リラックスした楽な姿勢です。頭は普段の状況を考えあえて少し下げています
正しい姿勢と楽な姿勢は若干異なります。どちらを選択するかはあなた次第です!
脚を組むと骨盤が後傾してしまうのでぜひ行ってください。
人が脚を組むのは下がっている骨盤を水平にするためです。なので骨盤が下がっている側の脚を無意識に上に持ってきてしまうのです。
組んでしまう脚側のお尻に畳んだタオルを敷いてみましょう。
この時上げすぎに注意してください。骨盤の傾きは認知出来なければ大きくても1~2cmなのでタオルの厚みも1cmほどで十分効果があります。
これは椅子選びの話にもなりますが座っていて足が地面に接地しない椅子は長時間の作業には不向きです。
これではお尻にだけ体重が乗ってしまいます。
足をしっかり地面に接地することでお尻だけでなく足にも体重を分散できるため腰やお尻への負担を和らげることができます。
足が地面につかない椅子を変えることができない場合は足元に台を置くなどして足を接地させましょう。
これは地面に座ってテレビを見るときなんかでも使えるのでおすすめ!
だいたいこんな感じになりますよね?それを
座布団を二つ折りにして座面を高くすることで自然と骨盤を前傾させることができます。
また椅子でも座面と背もたれの角に丸めたバスタオルなどを入れることで骨盤を前傾させることができます。
当院で待合室の椅子によくこの体制で座っている人を見かけます。
座る際にスタンスを広めにとりお尻を座面と背もたれの角に差し込んで座りましょう。
こうすることで上体を起こしたときに骨盤が背もたれに密着し、腰を丸めようにも丸めれなくなります。
いかがでしょうか?ベストな姿勢になりましたか?
上記の5ポイントを意識しつつ、姿勢を固定させないようこまめに体制を変えること!
あなたの腰痛が必ずしも座り方から来ているものとも限りません。
足の骨の変形が原因の腰痛も当院で多くみられます!気になる人はこちらも見てみてください!
30代女性の小学生の頃から治らなかった腰痛が○○だけ治癒した話
実践してみても改善しない場合はいつでもご相談くださいね!
この記事へのコメントはありません。